
ニイクラファーム―
東京に息づく、地上の楽園
東京・田無の静かな一角に、緑に包まれた老舗ハーブ農園――ニイクラファームがあります。
その歴史は室町時代にまで遡り、数百年ものあいだ、人と自然が共に歩んできた時間が、この土地に刻まれています。季節ごとに移ろう光と風の中で、多種多様なハーブが育ち、香りを放ち、生命の循環を繰り返しています。
この農園の価値は、単なる「生産地」にとどまりません。土地を守り、植物と向き合う人々の姿勢そのものが、自然と共に生きるという日本的精神の象徴となっています。
長年培われてきた土づくりの知恵、気候や水の変化を読み取りながら行われる栽培、その一つひとつの積み重ねが、世界の名だたるシェフやホテルにも信頼される“確かな品質”を生み出してきました。
ハウスの中に一歩足を踏み入れると、清らかな香りが漂い、やわらかな光が葉の間を通り抜けます。人と植物、時間と空気が調和するその空間は、まさに“地上の楽園”と呼ぶにふさわしい静けさを湛えています。
ニイクラファーム――
それは、草木とミライが生まれる以前から流れ続けていた「いのちのめぐり」の原風景。自然と人が共に呼吸するこの地の記憶が、今も静かに、草木とミライの哲学を支えています。















